オゾン療法が受けられないG6PD欠損症とは?

オゾン療法は、血流の改善や免疫力の向上、抗酸化力の向上など様々な効果が期待できますが、オゾン療法はG6PD欠損症の方は受けることができません。これは、全身に酸素を運ぶ役割を担っている赤血球の機能を保つのに不可欠なG6PD(グルコース6リン酸脱水素酵素)という酵素が不足することで、赤血球が壊れやすくなる疾患です。

この疾患を抱えている方は、生まれつきG6PDの数が少ない、または機能が不十分であるため、赤血球が破壊されて貧血を起こしやすいという問題があります。そして、この疾患を抱えている方がオゾン療法を受けると、溶血性貧血を起こす危険性があります。

溶血性貧血が起こる時の症状

溶血性貧血とは、破壊される赤血球の数に対して新しく生成される赤血球の数が不足することで起こる貧血のことです。溶血性貧血が起こると、めまい・立ちくらみ・動悸・息切れ・倦怠感といった症状が引き起こされますが、重症の場合は輸血が必要になるほど深刻な状態に陥ることもあります。

この疾患は日本人には稀ではありますが、重度の溶血性貧血は命にかかわることもあるので、オゾン療法を受ける際は事前の検査で発症の有無を確認し、安全に治療が受けられるかどうかを専門医が判断します。

G6PD検査について

上記の通り、オゾン療法を受ける際は事前にG6PD検査を受けて安全に治療が受けられるかを確認する必要がありますが、この検査はG6PD測定キットを用いるのが一般的です。

測定キットでは少量の血液を採取するのみで検査が可能で、その後採取した血液は検査機関に郵送されて検査されるのですが、検査機関の中には簡易的な検査しか実施していないところもあるので注意が必要です。

G6PD検査を受ける際には

G6PDの正常値は5.2~11.5IU/g Hbで、2.0IU/g Hb以下の場合はG6PD欠損症の疑いがあると判断されるのですが、検査機関の中には「+」「-」だけを判定しているところもあります。

このような簡易的な検査では、本当にオゾン療法を安全に受けられるかを判断することはできません。上述した通り、溶血性貧血を起こすと命にかかわることもあるので、G6PD検査を受ける際は簡易検査の危険性について専門医に確認しておくことが大切です。

また、G6PD検査は専門医が診断して公文書化を行って初めて効力が発揮されるものなので、G6PD検査を受ける際は数値を出しているとともに、公文書を発行している検査期間を利用しているのかを十分に確認しておきましょう。